「座らない!」を読んで人間のパフォーマンスチューニング
職場ではスタンディングデスク、家ではステッパーを使っている自分にとって、「座らない!」はタイトルが印象的な本だったので読んでみた。
結果、思ってたより「座らないこと」に関する話は少なかったw。
「食事・運動・睡眠」の3大要素をベースにした、人間のパフォーマンスチューニングについてバランス良く書かれていた。
特に印象に残った部分をメモる。
リーダーこそ健康を意識すべき
自分も健康を意識しだしてから気づいたこととして、健康になることは仕事や人生におけるパフォーマンスを上げてくれるということ。
責任の多い組織のリーダーこそ成果を最大化するために健康を意識したほうがいいし、従業員はそういうリーダーを模範として扱う。
リーダーが健康を意識することで従業員全体の健康意識も変えることができ、企業が飛躍する土台にもなる。
企業文化として
「自分の健康を最優先する」
「だらだらと働くのはやめて効率良く働こう。運動でしっかり汗を流し、しっかり寝る」
を掲げていきましょう という内容は同意できるなぁと思った。
1万時間の法則に感化されて睡眠時間削るのは悪手
1万時間の法則さえ達成できれば成功できる!と感化されて睡眠を削ったり食事や運動の時間も減らしてしまう人がいたら大間違い。
睡眠や運動による学習の改善度はかなり大きいし、健康を害したら練習さえできなくなる。
あとそもそも、1万時間の法則自体がそんなに参考にならないんじゃない?というデータも最近出ているので、「やった時間」にフォーカス当てすぎたら良くなさそう。
小さな選択が大きな改善を生む
例えば、「目の前に出されたフライドポテトを食べるかどうか」という小さな選択1つでも、その後の影響は大きくなる。
- 食べないを選ぶ
- 肥満を防げる
- 高血圧を防げる
- 発がん性を増やさずに済む
- 自分のことを大切にしている感情が強くなる
- 意志力が高まり、今後も同様の誘惑に負けないようになる
といった感じ。
特にフライドポテトのような高脂肪・高塩分・精製炭水化物は脳への依存性を生みやすく、ちょっと1口食べただけでその後の人生における摂取量が増えて雪だるま式に悪影響が膨らむかもしれない。
目の前に提示された小さな選択1つ1つがその後の大きな結果に関わるというのは、ローグライク系ゲームをやっていても強くそう思うので、個人的にはゲームから学べたことだなぁと思った。
測定するだけで活動的になる
例えば万歩計をつけてもらっただけで1日平均で1.6キロも余分に歩いたという実験結果もある。
自分もFitbitを買ってから睡眠と歩数の改善に積極的になれたので、今後も「測定する」という技は使っていきたい。
学んだ後の運動で記憶力UP
実験の結果、学んだ後に運動したかどうかで記憶力の違いに差が出たとのこと。
BDNFという脳のタンパク質が増える影響の結果とこの本でも言われており、やはり運動は学習効率の上昇という点でも非常に重要だと分かる。 kidooom.hatenadiary.jp
まとめ
これ系の本をもう何冊も読んでいるが、「運動・食事・睡眠」の3つの改善を日々いかに行うことが大切という点が共通して書かれている。
小さな選択が大きな改善を生むというのは、健康だけでなく仕事やゲームにおいても言えることなので、やすやすと悪い選択に流れていかないように気をつけていきたい。
あすけんを卒業した
前に「あすけん」で毎日の食事を記録してるという記事を書いたけど、卒業した。
理由は単純で、もう「あすけん」に頼らなくても食生活は大丈夫!という自信がついたから。
約半年前に有料会員で登録して毎日記録しつづけてきたので、流石にどういう食事配分だと栄養バランスが悪く、どういう食事量だと適性カロリーになるのかが感覚で分かってきた。
自分の食生活のベースは、パレオダイエット + 1日16時間断食のリーンゲインズを実践していて、この半年の体調はすこぶるよく体脂肪率も大幅に下がった。
「あすけん」に登録するために毎日数分の時間と意識を割いていたので、今後はこの時間を別のことに使っていきたいなぁとも思った次第。
とはいえ、自分の食生活がいかに栄養バランスが悪いかを教えてくれたサービスだったので、感謝してます。
ありがとうあすけん。
英語多読をしていたら結局またDiablo3に戻ってきていた
最近、英語多読を意識するようになってから英語コンテンツへの抵抗感が減り、触れる機会が自然と増えてきた。
ただ、何回か「英語字幕無し・英語音声のみ」でコンテンツを観てみたが、あまりに分からないのでついていけなくなった。
さすがにこれだと継続できなくなってくるので、今の自分のレベル的には「英語字幕有り」の方が良さそう。
Diablo3 を思い出す
英語で楽しめるゲームがなんかないかなぁと探してたら、PS4の中にDiablo3が入っていることを思い出した。
DiabloはそもそもアメリカにあるBlizzard社が作っているゲームなので、本来は英語がベースの言語のはず。
Steamのゲームは簡単に言語設定を変更できるけれど、Diablo3を英語化するにはPS4本体の言語設定ごと英語にする必要があるとのこと。
というわけでPS4本体の言語設定を英語にしてみたら、Diablo3自体も無事全て英語になった。
(この技を使ったら、他のゲームも結構英語で遊べるのかも!?)
既に日本語で楽しんだゲームを英語で再び楽しむ
一時期延々とDiablo3をやっていた時期があり、シナリオやアイテムの効果などは日本語情報で大体頭の中に入っている。
この頭の状態で英語版のDiablo3をやると、日本語で構築された記憶情報が英語で再構築されて理解が進む感じがして新鮮だった。
しかもこれは、
ゲームがやりたい
英語の学習をしたい
という自分の2つの欲求を同時に満たす行動になっていて、一石二鳥になっていて良いと感じた。
Diablo3以外にも日本語で十分楽しんで脳内に情報構築済みのゲームはたくさんあるので、自分向けの英語教材めちゃくちゃ発掘できたと知って興奮している。
怒りに対処するために、まずは怒りの感情の解像度を高くする
自分は基本的に「怒り」に対して良くない印象を持って生きてきたので、誰かに怒りをぶつけたりdisったりすることはできるだけ控えてきたし、怒りやdisりをしてくる相手に対しては良い印象を持てなかった。
その傾向は、「怒らないこと」や子育て本などを読んだりすることで、更に強化されてきていると思う。
しかし、自分の中にどうしても矛盾する感情が生じてしまって混乱することがあったので、ちょっと整理してみようと思った。
それは、「怒り」をぶつける人に対して、自分が「怒り」を感じてしまうとき。
「怒り」を無くしたいと思っているのに、相手が「怒り」を持っているからこっちも「怒り」で対処するというのは、怒らないことにも書いてる通り、怒りの炎に自分も燃料として入っていって大炎上させてしまっていることと繋がる。
核ミサイルを無くしたいのに相手国が核武装するからこっちも核武装するってのとなんか似ている構造。
この矛盾を解消するためには、まず「怒り」の感情についてもっと知る必要があると思った。
「怒り」の言葉の範囲が広すぎる
以下の記事にも書いてある通り、「怒り」という単語には色んな意味が含まれており「抽象度が高すぎる」or「解像度が低すぎる」単語として考えたほうが良さげ。
つまり、「理不尽な怒り」をぶつけてくる相手に対して感じる「理不尽さに対する怒り」は、同じ「怒り」という単語を使っているけれど、同じ意味をさしているではないということ。
ここで、「怒りは全てNGです」という自動思考を持っていると、「理不尽さに対する怒り」もNGになってしまって自爆してしまうので、考えを一度改めてみる。
感情の解像度を高くしていく
まずは、感情を表す表現・言葉辞典などを読んでいき、自分の感情の解像度を高くしていく。
上のサイトを見ると、怒りを表す言葉だけでも 79種類ある。
義憤(ぎふん)
人のルールから外れたこと、不公正な事柄に対する怒り
この義憤とかは、世の中を良くする動きに繋がるどちらかというと大事な怒りにも思える。
次の調べ物
また、怒りに対しては色々な対処法や、捉え方を変えて有効活用する方法なども研究されているようなので、次はそのあたりも理解して記事に書いてみる。
こうやって一歩ずつ無敵の人に近づいていきたいなー。
手書きでノートにメモを書いて脳を刺激する
「アウトプット大全」は去年1度読んだはずだけど、改めてもう1度読んでみたら学びが多かった。
いかに去年の自分が、読書の成果を最大化できてなかったんだと気付かされた・・・。
まず本を読んで、「ノートに手書きでメモをすること」を全然実践できてないと思った。
手書きでメモすることのメリットを何度も違う本や動画で知っていたのに、行動に移せてなかったなぁと気づけた。
なので先週から毎日、何かしら本を読んだり、仕事や誰かとの会話で学んだことをメモするようにしている。
書くことで脳が刺激される
デジタルデバイスにメモをするよりも、手書きでメモったほうが集中力が高まり記憶の定着率も高いことが研究結果で出ている。
これは、アウトプット大全の中では脳幹網様体賦活系(RAS、ReticularActivatingSystem)が刺激されるからとも言っている。
RASとは、脳幹から大脳全体に向かう神経の束、神経のネットワークのこと。
書くことでRASが刺激され、それにより脳がその対象物に対して集中力を高め、積極的に情報を収集し始める。
またRASは「注意のフィルター」として機能し、重要でない情報はスルーし、重要な情報を処理するために脳の力を振り向けるため、ここが活性化することで記憶へのメリットがある。
1冊のノートにひたすら書く
今まで挫折したのは、用途別にノートを分けようとした結果、書くハードルが高くなって続かなくなってしまった。
今回はアウトプット大全に見習って、ノートを分けずに1冊に時系列で書き続ける方法を採用することで、ハードルが低くなり手書きでメモをする習慣化ができた。
習慣化のコツは過去にブログにも書いた感じで続けた。
メモを取るのはインプットではなく、アウトプットとして
ノートに手書きでメモするとき、ただ単に本の内容を書き写したり人に言われたことをそのまま書いちゃうと効果が薄い。
こちらのブログの記事にあるように、自分の頭の中で整理してアウトプットとしてメモを取るように意識していきたい。
創造性と自分自身との間に安全な距離を保って精神を守る
社内向けの2時間プレゼンがまだ今週と来週で1本ずつあり、この1ヶ月はプレゼンのスライド作りに多くの労力を費やした。
2時間はかなり長いので、こまめに休憩・質問タイムは入れつつも、スライド自体もなるべく興味が湧くような内容にしたい。
文字は少なめにして画像を中心にし、比喩も結構使うようにしてみたけれど、こういうくだけた内容のスライドを作ると「滑るんじゃないか、しらけるんじゃないか」という不安がつきまとってくる。
そんなとき、Twitterでもつぶやいたこの動画を見て、少し不安が和らいだ。
TEDアプリでお勧めされたこのスピーチ良かった。創造性を自己の責任と切り離して精神を守る。
— kidooom (@kidooom) August 16, 2019
Elizabeth Gilbert: Your elusive creative genius https://t.co/PJKXDsEv5N
Your elusive creative genius
このTED動画で話しているElizabeth Gilbert さんは作家で、大ヒット作を出した後の次回作への期待に押しつぶされそうになったと言っている。
作家のようなクリエイティブな仕事は、批判に多くさらされる恐怖や、売れないんじゃないかという不安がつきまとい、精神にダメージを受けやすいという世間一般のイメージがある。
そしてそのイメージ通り、精神にダメージを受けて抑うつになったり自殺をする作家も歴史上見られるし、世間的にもそれで仕方ないとも思われがちである。
しかし、Gilbertさんは今後も作家として書き続けるために、
心理的に守られるようになるべき
作品と自分との間に安全な距離を保てるようになるべき
だと考えていて、確かにそうあるべきだなぁと自分も共感した。
ここで、古代ギリシャとローマの話からヒントを得たとGilbertさんは話している。
geniusの語源
これもTwitterに書いてみた。
先日見たTED動画で知ったけど、「天才」を表す "genius" という単語の語源はラテン語で「守護神」の意味で、その人の才能や能力からは少し距離を置かれていた。それが今は、人がそもそも備わっている能力や才能的な不変要素と捉えがちで、硬直マインドセットの原因になりそうhttps://t.co/X8itODiCLI
— kidooom (@kidooom) August 18, 2019
昔は、人間と創造性は切り離されて考えられており、気まぐれな精霊が降りてきたときに創造性が与えられると信じられてきた。
この考え方を今に取り戻してみればいいじゃないとGilbertさんは話しており、次に出す自分の作品が売れなくても、
「私一人の責任じゃないわよね?」
「できるだけのことはやったわよ!」
と、壁の方にいるかもしれない気まぐれな創造の精霊に語りかけることで、安全な距離を保つようになっているとのこと。
自分自身を責めないというのは、セルフコンパッションの考え方と同じだと思った。
まとめ
ゲーム開発もクリエイティブな仕事なので、この考え方は適用できると思う。
同じゲームクリエイターや開発チームが作るゲームが毎回大ヒットすることを期待されてしまうと、ゲーム開発者の精神がどんどん病んでしまう。
先日読んだ「ORIGINALS」にも書いていたけど、創造性があると言われている偉大な人たちは最も多く失敗してきた人たちだった という話がとても勇気づけられる。
どの分野を見ても 独創的で最も偉大な人たちは 最も多く失敗している人たちです。
彼らは誰よりも多く挑戦するからです。
バッハ、ベートーベン、モーツァルトという クラシック音楽を代表する3人でさえ ものすごい数の楽曲を作って ようやく 数少ない傑作に たどり着いたのです。
というわけでゴミでもどんどん作っていこう。
ネガティブフィードバックを受け止められるマインドセットを鍛えたい
先日、社内のイベントで2時間の講座をやったという記事を書いた。
終わった後は結構燃え尽きていて、自分が話している講義動画とかアンケート結果を観るのを避けていたんだけど、夏休みを経てリフレッシュできたので覚悟決めて講演動画とアンケート結果を見てみた。
自分が講演している動画を見た感想は予想通り、「全然自分が思っているような声や話し方じゃないな」で少しショックを受けた。
めっちゃ声低いし、なんかまったりしている感じもした・・・。
でも、これによって次の講座のときはもっとテンション高めにしたほうが良いなという改善点が見つかったので、ある意味良いフィードバックになった。
またアンケート結果については、概ね好印象ながらも、「もっとこうしたほうが良かったんじゃないですか?」的なコメントがあり、それを読んで自分の心の中に防衛的な反応が出てきたのを感じた。
こういうとき、一瞬自分が「硬直マインドセット」に陥っちゃてるなと思ったので、硬直マインドセットにならないためにもマインドセットについてメモっておく。
マインドセットとは
スタンフォード大学で発達心理学の研究をしているキャロル・S・ドゥエック教授が書いた本 「マインドセット「やればできる! 」の研究」 に詳しく書かれている考え方で、人間の思考は「硬直マインドセット」か「成長マインドセット」の2つにざっくり分けて考えられる。
硬直マインドセットと成長マインドセット
2つのマインドセットの特徴を、ざっくり表にまとめると
硬直マインドセット | 成長マインドセット |
---|---|
自分の能力や才能は固定的で変わらないと信じている | 人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると信じている |
自分が賢そうに見えるだろうか、馬鹿に思われないだろうか、認めてもらえるだろうかを気にし、失敗を恐れる | 結果がどうなろうとも、いま力を注いでることそれ自体に意義を見出すことができ、失敗を恐れない |
しくじってはならないという切迫感にいつも駆られており、成功すると誇らしさが優越感にまで膨れ上がる。なぜなら成功するのは、固定的な能力が人よりも優れている証拠だと信じているから | 持って生まれた才能、適性、興味、気質は一人ひとり異なるが、努力と経験を重ねることで、誰でもみな大きく伸びていけると信じている |
ただ自分の自尊心を満たしてくれる相手を求める(ドヤれる相手) | ぶつかりあう中で自分を成長させてくれる友人やパートナーを求める |
自分の能力を繰り返し証明せずにはいられないため、うまくできるとわかっていることばかり繰り返す | 自分が成長することに関心を向けているため、新しいことや難しいことにも挑戦する |
嫌なことや失敗をしたときに、自分はもう駄目、どうにもならないと思ってしまう | 嫌なことや失敗に対しても落ち込むことがあるが、自分がダメと決めつけずに回復する |
都合のいい結果ばかりに目を向け、都合の悪いことには理由をつけて無視するため、自分の業績や能力に見当違いな評価を下しがち | 不本意であっても現時点の自分の能力をありのままに受け入れることができるため、自分の能力や業績に正確な判断を下す |
努力を忌まわしく思う。なぜなら、頭が良くて才能があれば、そもそも努力をする必要がないから | 努力こそが人を賢く、有能にしてくれると思っている |
このマインドセットは常にどっちかになっているわけではなく、その時の状況や気分、取り組んでいる内容に応じて変化するし、人を変われるという信念があれば成長マインドセットに近づくことができる。
まとめ
ネガティブなフィードバックを避けようとしたときは自分が硬直マインドセットに陥ってる可能性があるので、そこに気づいていつでも成長マインドセットにチェンジしていけるようにしたいなぁと改めて思った。