CAPCOM CUP2019を観戦しながら努力2.0を読んだ
プロゲーマーときど(以降敬称略)の「努力2.0」を読んだ。
丁度CAPCOM CUP2019 が開催中なので、それを観ながらこの記事を書いている(ベスト16のあたり)。
自分と格ゲー
まず背景として、自分も格闘ゲームが大好きで、学生時代はほぼ毎日ゲーセンに通ってKOFシリーズやストリートファイターシリーズの対戦をしていた。
ウメハラ、ときど、マゴ、sako、ネモ、ももち など今の日本のトッププロゲーマー勢はその頃からのレジェンドで、インターネットがまだ普及してない当時は、格闘ゲーム大会「闘劇」のビデオを借りて観ていた。
ウメハラの「1日ひとつだけ、強くなる」は自分にとってのバイブルで、格闘ゲームから多くのことを学んできた。
努力2.0
今までの本を読むに、ウメハラはまさに「本能型」で強くなってきたのに対し、ときどは「知略型」で強くなってきた感じで、対称的な2人だという印象がある。
この「努力2.0」では、「知略型」らしい多くのアプローチが見て取れた。
「勝ちにこだわる」から「負けの中に答えがある」へ
僕の座右の銘は「やってみる」です。これが僕の行動規範であり、努力2.0で一番大切にしている考え方です。
努力2.0 p29
重要なのは、失敗しても全然気にせず、むしろ喜ぶこと。失敗は、今自分がやっていることが正しいか否か、どちらの方向に進むべきかを明確に教えてくれます。
努力2.0 p23
これぞ「成長マインドセット」な考え方が散りばめられていて、このマインドセットがヒトの成長に役に立つことが伺える。
好感が持てるのは、この考え方が昔からできていたわけではなく、過去の自分の失敗を振り返って今があることをエピソード付きで説明していること。
確かに彼は昔、その合理的すぎるプレイスタイルから「アイスエイジ(寒いプレイ)」と揶揄されていたこともあるほどだった。
そのプレイスタイルからは冷たい人物像を連想されやすいが実際は陽気で親しみやすい人柄で、格闘ゲームに対する情熱も人一倍強い。冷徹無比のプレイスタイルが転じて一部界隈から”アイスエイジ(氷河期)”などと揶揄われることもあるが、本人はそれすらも自ら持ちネタにしてしまう懐の大きさがある。
1割打者でいい。とにかく打席に多く立て
対戦ゲームをやっていると、どうしても勝率が気になってしまうもの。
その結果、強そうな相手と戦うのを怖がったり、負けが続くと落ち込んでしまったりする。
僕は勝率にこだわらない。下手でもいいからとにかく本番をこなすことで、勝った「数」を増やす。すると、ある瞬間から数が質に影響するのだ。
努力2.0 p54
この、数が質に転換するというのは、「ORIGINALS」でもデータとして語られていて、これまた知略型らしいアプローチだなと思った。
どの分野を見ても 独創的で最も偉大な人たちは 最も多く失敗している人たちです。
彼らは誰よりも多く挑戦するからです。
バッハ、ベートーベン、モーツァルトという クラシック音楽を代表する3人でさえ ものすごい数の楽曲を作って ようやく 数少ない傑作に たどり着いたのです。
「インプット」-> 「アウトプット」 -> 「フィードバック」の反復をいかに早く繰り返すかが大事というのは、アジャイル開発や勉強全般でも重要と言われていて、プロゲーマーにとっても当たり前の考え方になっているんだなと分かった。
その他の考え方も、何かに紐付けようとしたらいくらでも紐付けられるくらい納得のできる努力が積み重ねられている。
- 秘密主義か、オープン主義か
- 「GIVE AND TAKE」における ギバーの精神
- 少し背伸びした環境を選ぶ
- コンフォートゾーンから抜けること
- 毎朝、自分の通信簿をつける
- エクスプレッシブライティング、日記
- eスポーツでも体力の差をあなどらない
- あらゆる行動を「ルーティン化」せよ
- ポリシーをそのまま目標にしない
- OKRのOをポリシー、KRを具体的な目標にしている。kidooom.hatenadiary.jp
こちらの記事にもある通り、「努力の目利き」力が高いんだなと感じる内容だった。
まとめ
子供時代からハマっていた格闘ゲームシーンから、こんなにも学びを得られるとは思ってもいなかった。
勝者1人、残り全員敗者しかいない厳しい世界で切磋琢磨している彼らを見習って、自分も強くなっていかないとなぁと思った。