Netflixのドキュメンタリー「不自然淘汰:ゲノム編集がもたらす未来」が面白かった
Netflixの科学系ドキュメンタリーは好きで色々観ていて、中でもこれがとても面白かった。
遺伝子ドライブ
種の絶滅をも起こせる可能性のある遺伝子ドライブ技術が紹介されていた。
この遺伝子ドライブが理論通りに動けば、絶滅させたい特定の蚊やマウスでオスばかりが生まれるようになり、繁殖が困難になって滅ぼせるというもの。
番組の中では、外来種のネズミによって原生生物が減っていることに悩んでいるオーストラリアにて、科学者が遺伝子ドライブを導入してネズミを駆逐することを提案する場面がある。
ただ、やはり未知の技術に対する不安や懸念は大きく、一部の地元住民の反対によって実施には至っていない。
最近のニュースでも、遺伝子組み換えをした蚊による殲滅作戦は失敗に終わったと報じられていて、失敗が続けば反対の声も大きくなりそう。
DIYバイオハッキング
番組の中で特に印象的だったのが、実際に自分自身を実験台にして遺伝子編集の注射を打つ人たちが既に出ているということ。
元NASAで現バイオハッカーのジョサイア・ザイナーは、「バイオハッカー」志望者に遺伝子工学キットを販売して遺伝子編集の民主化を考えている。
遺伝子編集は、やり方とキットさえあれば割と誰でもできるようになっていて、DIYバイオという用語もあるぐらい。
前に進み続けなければ滅んでしまう
番組の中で特に好きなシーンは、エピソード3の最後でMITのケビン・エスベルトが語っているこのシーン。
まだ箱の悪夢を見る。
パンドラの箱だ。
箱を開け続けなきゃこの文明は続かない。
でも役立つ箱と危険な箱の区別できない。
だから僕にはそれが最大の課題だ。
前にブログに書いた、赤の女王仮説の考え方と同じだと思う。
危険な箱を開けるのを恐れて現状維持を続けようとすると、周りの環境においていかれて人類は滅びてしまう。
全力で走り続けるために、人類が遺伝子編集の道に進んでいくことは不可避なんだろうなと考えさせられる内容だった。