kidoOooOoooOOom

ゲーム開発やってます

他人のプラセボ効果を邪魔しないようにします

予想通りに不合理 に書かれていた「わたしのプラセボを奪わないでくれ!」のコラムが忘れられない。

というのも今までの自分を振り返ってみて、他人に対して野暮なことを言ったり、大人げない指摘をしていたなぁということを思い出した。

例えば、「XXが体に良いから始めてみた〜」という発言に対し、「XXは実験結果では意味ないって出てたよ」的なことを言っちゃうこと。

これはまさに本で書かれている「わたしのプラセボを奪わないでくれ!」をやらかしてしまっている。

プラセボ効果はかなり大きい

本やこちらの記事にも書かれている通り、プラセボ効果は実際に広く観測されている。

karapaia.com

値段が高い偽薬ほどよく効く

偽薬だとわかっていても効いてしまう

などの結果から、人間への医療行為と精密機械の修理行為は全く別のものだということが分かる。

精密機械に対して偽の修理行為(今から治しま〜すとだけ言って何もしない)をして治るなんてことは全くないけれど、人間の場合は偽手術でも効果が出てしまう。

肉体的な損傷を伴う外科手術であるが、狂気の沙汰と言うべきか、偽手術で改善が見られたという報告はかなりの数に上っている。フィンランドでは、外科医が軟骨の損傷を手術するために、患者を手術室に入れた。うち半分の患者が実際に手術を受けている。他の患者は麻酔をかけられ、切開されたが、手術自体はその真似をするだけであった。それでも両グループとも改善が見られた。

もし、「高額な手術ほど効果が高い」という話があったとして、

  • 効果が高いから値段が高いのか
  • 値段が高いから効果が高くなるのか

は、人間の場合は判断がつかないのかもしれない。

痛いの痛いの飛んでいけ

結局のところプラセボ効果は、なんの効果も無い薬を飲んで実際に効果が出てしまうので、物理学の世界ではなく、生物学や心理学のようなまだよくわからない超複雑な世界の現象とも思える。

そこでまたこの楽しい進化心理学の話を思い出す。

note.mu

高額医療サービスは確かに病気を治すが、同時にそれは精巧に作り上げられた「痛いの痛いの飛んでいけ」の大人版だということである

上の記事では別にプラセボ効果のことを言っているのではないけれど、高額医療サービスはある意味「痛いの痛いの飛んでいけ」の大人版というフレーズが面白かったので記憶に紐付けてしまった。

まとめ

プラセボ効果はかなり大きいので、なるべく自分もその恩恵には預かっていきたいし、他人のものも邪魔しないようにしたい。

ただ、先日も問題になった「血液クレンジング」のような、値段が高く万が一のリスクが大きいものはできれば避けてほしいなと思う。

gendai.ismedia.jp

でもこれも「痛いの痛いの飛んでいけ」の大人版であり、この行為に満足している人に指摘することは本人にとって良いことなのか悪いことなのかは結果として分からない。

この、行動の選択肢が勧善懲悪ではない結果をうみそうな感覚は、Witcher3のクエストで何度も味わったので、この世はダークファンタジーなんだなぁと改めて思った。