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ゲーム開発やってます

EOF2019参加してきましたレポ

10/31に開催されたEOF2019 (Engineering Organization Festival 2019) | Peatixに、会社休んで(実質趣味で)参加してきたのでレポート。

EM.FMからEOF2019へ

twitter.com

エンジニアリング組織論への招待はチーム読書会で2周したほど学びが多い本で、その著者の広木大地さんと、アカツキのゆのんさんが始めたPodcastがEM.FM。

そのEM.FMから派生して開催されたのがEOF2019ということで、是非とも参加させて頂いた。

(経緯などはゆのんさんの下記ブログ記事に詳しく書かれている)

yunon-phys.hatenadiary.com

1つに決められない参加セッション

タイムスケジュールを見ると、どのセッションも直接聞きたいレベルで、その中から1つ選ぶのが難しかった。

参加できなかったセッションは、Twitterでの感想やすぐさま公開された講演資料などを読んで補完できたので、便利な世の中になったなぁと思う。

以下、参加したセッションを中心に印象に残った言葉や感想をレポ。

Podcastという組織文化戦略

まずは、Podcast好きとしてこのセッションに参加。

Fukabori.fm のいわしさん、ajito.fmのすずけんさん、そしてEM.FMのゆのんさんによるパネルセッションで、普段聞けない話が聞けて良かった。

(社内)Podcastを始めたことによるメリットとして

  • 透明性が上がった
  • 人に興味をもつようになった
  • 下調べも含めて、一番自分の勉強になる

があったとのこと。

このセッションを聴いて、今度うちのチーム内だけでもゆる〜い雰囲気でPodcastを収録してみようと思ったので、チームの誰かに相談をしてみる。

質とスピード

上のPodcastの裏セッションだったけれども、公開されたスライドを見てとても刺激的だった。

詳しくはスライド参照で、特に心に刺さったページは

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スライドの中で紹介されている「LeanとDevOpsの科学」は自分も読んだけれど印象的な本で、デプロイ頻度の多いサービスほど品質も良かったという統計データが示されており、ふわっとした直感的感覚ではなく科学的なアプローチから「質とスピード」が述べられている。

今後は「スピード優先」という言葉に対しては、このスライドを見返して「短期的/中期的/長期的」の影響を改めて考えていきたいと思う。

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メルカリ、メルペイのエンジニアリング組織の変化

メルカリ

メルカリがモノリシックな構造からマイクロサービス化に舵を切った背景には、「コンウェイの法則」をベースにした組織戦略もある。

メルカリCTO名村が目指す「統率のとれた有機的な組織」とは? Developers Summit 2019 Summerレポート | mercan (メルカン)

今自分が読んでる「組織パターン」でもコンウェイの法則がガンガン出てきていて、割と中心的な戦略になっている。

登壇者の後藤さんも言ってたように、このコンウェイの法則は人間の本能的な性質を組織とアーキテクチャの関係に当てはめたものでもあるっちゃあるので、そりゃ普遍的にもなる。

講演では、マイクロサービス化したことでうまくいったことだけでなく、デメリットや課題も話してくれていてとても参考になった。

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メルペイ

メルペイの石川さんの講演では、メルペイのEM業務範囲や目指すチーム像について説明してくれた。

メルペイでのEMのタスクは多岐に渡っていて、この図を見て改めて、エンジニアの延長線でそのままEMになれるわけではないということを感じた。

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別の発表でSansanの鈴木さんが話していたように、エンジニアというポジションを一度 Unlearn して EMに挑むことが大切だと感じた。

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メルペイの石川さんの講演資料の中で、チームで一番大事なのはHRT(謙虚, 尊敬, 信頼)と言っていて、それには同意するとともに、だがしかし「謙虚」を保つのは人間として激ムズなのでちゃんと攻略する必要あると感じている。

チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題

ところてんさんのスライド資料は以前のも含めて何度も読んでいてとても参考にしている。

その最新作ということで、非常に楽しかった!

まずスライドの序盤で説明されている心理的安全性については全面的同意で、「ぬるま湯ではなく健全に殴り合うための状態」と理解している。

kidooom.hatenadiary.jp

んで、自分も「DMやめろ」側の人間だったけれど、今回の講演を聴いて考えを改められた。

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public channelに書き込むことへの抵抗感は誰しもあるし、public channel にいる人達の認知リソースの消費という側面で考えると確かにDMという選択肢も仕方ないことはある。

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個人的には、「muteすればいいじゃん」とか「メンションあったときだけ意識すればいいじゃん」とか思ってたけれど、誰もがそう考えているわけではなく、人によっては発言を無視するコストもかなりかかっていると理解しないとなぁと思った。

昔からインターネットにどっぷり浸かってる人間やTwitter大好き人間からすると、slackの発言流量大したことないと思いがち・・・。

まとめ

本当に素晴らしいイベントだった。運営凄い。

逆に、己の勉強不足・力不足・経験不足にも打ちのめされるイベントになった。

今後も業務でEM的なことをする機会はあるので、今回の学びを活かしていきたい。

そして、改めてEMにはピープルケアの要素が強くあると感じたので、個人的に興味が強い心理学やBiologyの側面から自分らしくアプローチしていきたいと思った。