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赤の女王仮説とエンジニアの勉強継続説

進化論の本を読んでいると、「赤の女王仮説」という話題も度々出てくる。

赤の女王仮説 - Wikipedia

赤の女王仮説は、進化に関する仮説の一つ。

「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならないことの比喩として用いられている。

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ストーリーの比喩とフレーズの良さもあり、自分の記憶に強く刻まれた説なのだが、これって「エンジニアは勉強し続けないと周りについていけなくていずれ役に立たなくなる」的な話と同じだなと思った。

この効果のもっとも明白な一例は、捕食者と被食者の間の軍拡競走である(例えばVermeij, 1987)。捕食者はよりよい攻撃方法(例えば、キツネがより速く走る)を開発することで、獲物をより多く獲得できる。同時に獲物はよりよい防御方法(例えば、ウサギが敏感な耳を持つ)を開発することで、より生き残りやすくなる。生存競争に生き残るためには常に進化し続けることが必要であり、立ち止まるものは絶滅するという点で、赤の女王の台詞の通りなのである。

この「赤の女王仮説」に従うと、環境の変化が早くなればなるほど、その環境に適応しやすい者(=変化についていける者)が競争に勝ちやすくなり、変化についていけない者は競争に負ける可能性が増す。

エンジニアと勉強に関する話は度々ネット上でも話題になり、下の記事も記憶に新しい。

axia.co.jp

勉強する人としない人との差は時間が経てば経つほどに残酷なほど顕著になっていきます。その時に一番苦しむのは、プライベートでどうしても勉強したくないと言っている本人です。

組織の大多数がプライベートで勉強しない人で占められている場合にはそれでも成り立つかもしれませんね。自分がたいして成長できていなくても、同じように成長できない人達が周りにたくさんいるわけですから、それなら自分が成長できなくて悩む必要もありません。

でも周りのエンジニアの多くが技術が好きでプライベートで勝手にどんどん学んでいく人達で占められている場合には、勉強嫌いな人達は肩身の狭い思いをすることになってしまいます。

残念ながら、インターネットの普及・コンピューターの高性能化などのテクノロジーの発展により、近年の変化のスピードは激的に早くなっていて、加速が止まらない印象がある。

そんな中で、まったり趣味や娯楽に浸って楽しく生きていきたい気持ちは良く分かる。

自分もできれば好きなゲームだけやって怠惰な生活を送っていきたいなぁと思う時もある。しかし、そうやってゲームしかしない生活を送り出すと、遅かれ早かれ世界の環境変化についていけずに絶滅する可能性が出てくるため、勉強に多くの時間を割いている。 (ただ、自分は勉強するのも趣味といっていいほど好きなことのでちょうど良かった)

勉強と訓練は違うという捉え方

今この記事を書いていて、参考にググっていくつか読んだWebページの中で、下の記事が面白かった。

qiita.com

自身が所属する会社組織において、業務上で求められる技術(スキル)を身につけることは訓練であって、勉強ではありません。そしてこれは、会社組織に所属する者としての義務なのです。

逆に、勉強とは今は使うことはないが将来使う可能性のある技術(スキル)・知識を身につけることです。必要とされる前に実践することが勉強であり、それを業務で「今」使用しなければならなくなった時点で、それは勉強ではなくなります。

自分も、今やっていることが「勉強」なのか「訓練」なのかはほとんど意識せずにやってきた。

最近ハマっている生物学や進化心理学の学問などは直接業務に出てはこないので、「勉強」に該当する。

それに対して、Unityやプログラミング、3Dグラフィックスを学ぶことは「訓練」に該当すると思った。

もし今自分の業務における課題が「訓練不足」に起因するものであれば、まずは「訓練」をしていくことが大事だし、そうやって訓練によって業務がスムーズに進むようになれば勉強の時間も確保しやすくなる。

自分はどっちかといえば「勉強」が好きで、「訓練」は足りてないのかもしれないなと思っちゃったので、今後はそこのバランスを考えていこうと思った。