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ゲーム開発やってます

Unite Tokyo 2019 DAY2 参加レポート

Unite Tokyo 2019 二日目も参加したので、DAY1に引き続きレポート。

kidooom.hatenadiary.jp

参加したセッションは下記の通り。

8セッションも参加したのか・・・と書いてみて気づいた。

さすがに量が多いので、簡単にメモっていく。

Stadia 開発環境について

(講演資料の公開は無いっぽいので、覚えてる範囲で)

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講演者は Rebuild.fm でおなじみの @hak さん

HW仕様

  • CPU: Custom x86 Processor, 2.7GHz, Hyperthreaded AVX2
  • GPU: Custom AMD GPU, 10.7 terraflops, 56 compute units
  • RAM: 16GB
  • ストレージ: SSD

スペックは結構強いよというメッセージ。 参考として、

これらを超えている。

ただ、クラウド上なので、1つのゲームが1つのInstanceを専有するというわけではない。

そして逆に、1つのゲームが複数Instanceの資源も使えるということでもあるので、強そう。

STADIAならではの拡張機能

Crowd Play

YouTubeライブ配信中のゲームに参加できる機能のこと。

あこがれのYouTuberと一緒にゲームをプレイしたり、配信中のゲームに飛び入り参加できるということで、Youtubeとの連携が強まって便利そう。

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State Share

URLにパラメータを追加して、そのパラメータに応じたゲーム状態を発生させられる。

このパラメータを使えば、例えばゲームのマップの状態・プレイヤー位置・所持アイテムなども含めて状態を保持してシェアすることができる。

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これも他のゲームにはできない芸当なので、使いようによっては超強力になるかも・・・。

Stream Connect

STADIA上で直接データをやり取りして表示することで、マリオカートの画面分割プレイ的なのがSTADIAゲームではできるようになる。

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どの機能もSTADIA環境ならではの機能になりそうなので、新しい遊び方が広がりそうで期待。

開発環境

開発環境は3種類あり、それぞれ松竹梅プランとして紹介していた。

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  • 松:STADIA instance
    • 画像の一番左の範囲で、実際のSTADIA instance環境で動かせる。なのでスマホゲームでいうところの実機確認に相当する
  • 竹: 仮想STADIA環境
    • 画像の右上の範囲で、自社サーバ環境やGCP上などに構築してプレイできるようにする環境(だと思う)。
  • 梅: ローカル環境
    • 画像の右下の範囲で、ローカル環境に相当する。自分のPC上で動くので、ファイルをアップロードする必要がなく、サクッと動かせるメイン開発環境になりそう。

Unity対応

もうそろそろサポートすると言っていた。

Unity公式ページにも書かれている通り、IL2CPP, Linux, Vulkan 対応してビルドする必要がある。

blogs.unity3d.com

開発支援ツール類

色々紹介されていたが、STADIAはChrome上でも動くので、Chrome Extensionで色々デバッグできるのが便利そうな印象だった。

あと、現状だとWindowsVisual StudioでしかSTADIA plugin を提供していないそうなので、Mac勢はまだ触れない。

ゲームのローカライズはどうなる?

講演後の全体質問で聞かれてた点。

ユーザの言語設定に依存してゲームの言語が選ばれるので、例えば英語圏のプレイヤーと日本語圏のプレイヤーが同時にマルチプレイしてもそれぞれの言語で表示されるようになる(もちろん、ゲーム側で各言語に対応しておく必要あるけど)。

個別質問した

(質問): unityでビルドしたアプリをそのままstadiaで動かしたいとして、stadia対応ならではのyak shaving 的な労力、対応期間ってどれくらいありそう?

(回答): 理想的には、stadia上でそのままアプリ動く。stadiaならではの拡張機能使いたいんだったら対応必要だけど、その他は、(理想的には)特に無いよ

まあ、上に書いた通りに Linux, IL2CPP. vulkan対応してビルドする必要はあるし、"理想的には"なので、予想外のことは色々発生してある程度の工数はかかると思うけれど、単純にSTADIA対応をするだけだったらその他に隠された対応項目は今の所無さそう。

(あと、いつもPodcastで聴いてた@hakさんとお話できたので、Unite行って良かったわーと個人的に感動)


SRPで一から描画フローを作ってみた! ~Unity描画フローからの脱却~

learning.unity3d.jp

全然知らなかった箇所なので、勉強になり助かった。

基調講演でも、コロプラの新作ゲームで独自の表現を実現するためにSRPでカスタマイズしたと言っていたので、今後必要になるケースがあるかもしれない。

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セッション最後の「要望」で書かれている通り、まだノウハウが少なくて地雷踏む人も多そうなので、みんなで地雷を潰していくのも大事だなと思った。


映像制作はUnityでさらなる高みへ メイキング オブ next “Gift ”

learning.unity3d.jp

講演と同時に、新作の短編映像の"THE PEAK"が公開された。 www.youtube.com

とにかく水の表現がすごい!

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そして、その水のポリゴンを作る工程がテクニカル&アーティスト領域のエキスパートならではの話だったので、興奮したし尊敬した。

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スマホゲームのクオリティもどんどん上がってきていて、こういった表現が求められる日も近い。


出版社とゲーム会社はなぜすれ違う?ドラゴンボールのゲーム化で酷い目にあった…もとい勉強させて頂いた話

learning.unity3d.jp

Unity関係ないセッションだったけど、とても面白かった。

下記サイトに詳しく書いてるので、こちら参照。 www.gamecast-blog.com


Unity開発ロードマップ最新情報

learning.unity3d.jp

この講演もとてもおもしろかったので、是非とも動画で確認して欲しいセッション。

個人的に印象に残ったスライドを5枚だけ載せておく。

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より便利になりそうな機能と、より高度な知識が必要になりそうな機能がたくさん追加されそうで、未来にワクワクするのと同時に、どんだけ仕込んでるだ・・・と途方も無い気持ちにもなった。

ただ勉強マニアな自分としては、どんどん勉強しないといけない対象が増えるのはある意味嬉しいなと思った。 (勉強できない人はついてこれなくなるから淘汰にもなるし)

とりあえず DOTSについては、「難しくてついていけないからやらない」を選んじゃうと老害エンジニアになっちゃうのでちゃんとついていこうと思う。

まとめと所感

やはりこういうイベントは行く前と行った後で全然モチベーションが変わるし、行く価値は非常に高いと思う。

ただ悩みとしては、イベントに参加していない人にこの感情を伝えることはほぼ無理であり、イベントに参加しない周りの人たちからすると参加費と工数を消費するから手放しで行かせたくないという気持ちが少なからず発生すると思う。

こうやってブログにアウトプットすることで知識を強化し、学んだことを仕事の中で成果として出せるようにして、「Uniteに行けたおかげっす」と言えるようにしていきたいなぁと思った。