ニーバーの祈りで査定評価を乗り越えるメンタルハック
査定の時期になると評価制度周りで悩むことが今まで多かったが、「エンジニアリング組織論への招待」と「問題解決大全」を読んでからは「ニーバーの祈り」を意識するようになって心理的負担が大分減った。
ニーバーの祈りとは
アメリカの神学者、倫理学者ラインホールド・ニーバー(1892-1971)の言葉で、下記の通り。
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
The Serenity Prayerij[o[ÌFèj
宇多田ヒカルの「Wait & See ~リスク~」にも似た表現があったらしい(全然気づかなかった)。 sugimuratakashi.com
コントロールできるもの、コントロールできないもの
「エンジニアリング組織論への招待」では、直接ニーバーの祈りの言葉は出していないが、「コントロールできるもの、コントロールできないもの」や「観測できるもの、観測できないもの」のトピックで似た概念を言っていると感じた。
何か問題を感じたり、不安を感じたりしたときに、人は知らず知らずのうちに、「コントロールできないもの」をコントロールしようとして、さらに思考が混乱するとか、ストレスに感じてしまいます。
何か、問題を解決したかったり、良い結果をもたらしたかったら、何がコントロールできるのか、そして何がコントロールできないのかを冷静に判断する必要があります。
広木 大地. エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング (Japanese Edition) (Kindle の位置No.852-855). Kindle 版.
「観測できないものはコントロールできない」というのはそのとおりで、他人の頭の中は観測できないしコントロールなんてとてもできない。
われわれにできることは何でしょうか。
それは、今まで見てきたように、「コントロールできるもの」を操作し、そして、「観測できること」を通じて、その結果を知識にすることだけです。
私たちは、つい、何か問題に出くわすと、「コントロールできないもの」を操作して、「観測できないもの」を改善するという不可能な問題設定を行ってしまいます。
広木 大地. エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング (Japanese Edition) (Kindle の位置No.880-883). Kindle 版.
他人からの評価はコントロールできないが、自分の行動はコントロールできる
今までの自分は、他人の頭の中で勝手に決まる査定評価を気にしたところで結果メンタルに良いことは特に無かった。
このニーバーの祈り的な考えに触れてから、コントロールできない他人の評価結果は気にしないこととし、コントロールができる「評価結果に繋がる行動」の方を意識して増やすようになってメンタルが安定するようになった。
まとめ
というわけで、何かストレスを抱えるような問題が起きた時は、まずはニーバーの祈りを思い出す。
そして、それがコントロールできるものなのかどうかを判別していこうと思う。